意義と用途
4.1 この実施法から得られた結果には限界がある。試薬の種類と濃度の選択、浸漬またはストレスまたはその両方の時間、ストレスのレベル、試験温度、および報告される特性は必然的に任意である。これらの条件のこの仕様書は標準化の基礎を提供し、化学試薬に対する様々なプラスチックの相対的な耐性を比較することを望む研究者のための指針として役立つ。
4.2 試験結果とプラスチックの実際の性能又は保守性との相関は、必然的に試験と最終使用条件との間の類似性に依存する。連続浸漬を伴う用途では、短時間試験で得られたデータは、最も不適切な材料を排除すること、または化学試薬に対する耐性の可能性のある相対順序を示すことにのみ関心がある。
4.3 腐食性条件を伴う特別な用途のためのプラスチックの評価は、遭遇する特定の試薬及び濃度に基づくものとする。試験条件の選択は、試薬との接触の方法及び時間、システムの温度、印加される応力、及び特定の用途に関与するその他の性能要因に基づく。
4.4 これらの慣行は、自動車における使用及び様々な自動車用流体へのばく露、又は消毒剤及び洗浄液へのばく露を伴う病院環境における使用のような、プラスチックのあらゆる多様な用途に関する詳細をカバーすることなく、一般的な指針を提示している。この実施法は、実施された研究の詳細を報告書に記載することにより、そのような用途に拡大することができる。
4.5 適切な管理の使用は、この実施法によって生成された情報の有用性を評価するために極めて重要である。生成されたデータの変動性、特にベースライン管理、及び情報の誤用を緩和するために報告されたデータ生成の問題に特に注意を払うべきである。
適用範囲
1.1 この実施法は、鋳造、熱間成形、冷間成形、積層樹脂製品およびシート材料を含むすべてのプラスチック材料の化学試薬に対する耐性の評価を対象とする。
1.2 3 つの手順が示されている。2つは実施A(浸漬試験)の下で、1つは実施B(標準化された適用ひずみ条件下での機械的ストレスおよび試薬曝露)の下である。この実施法には、重量変化、寸法、外観、色、強度、およびその他の機械的特性を報告するための規定が含まれている。標準試薬は、特定の耐薬品性要件に関連する他の化学試薬の使用を妨げることなく、比較可能な基準に基づいて結果を確立するために規定される。様々な曝露時間、ストレス条件、および高温での試薬への曝露が規定されている。コンディショニングの種類(浸漬またはウェットパッチ/ワイプ法)は、材料の最終用途に依存する。材料が容器または移送ラインとして使用される場合は、試料の浸漬が使用される。材料が短時間の曝露しか受けない場合、または材料が近接して使用され、試薬が材料に飛び散る場合は、試薬を材料に適用するウェットパッチまたはワイプ法が使用される。
注1:環境応力亀裂抵抗を評価するための実務Bは、較正された化学試薬を用いて成形されたスルホンプラスチック部品の残留応力を測定しようとする実務D7474とは異なる。実務Bは、特定の条件下での環境応力亀裂に対するエチレンプラスチックの感受性を、所定の時間に亀裂が生じる試料の割合を測定することによって定量しようとする試験法D1693とは異なる。
1.3 化学試薬が特性に及ぼす影響は、浸漬若しくは応力又は試験される場合にはその両方の前及び後に、当該試験のための標準試料について測定を行うことによって決定される。
1.4 SI単位で記載された値は、標準とみなされる。括弧内に記載された値は、情報としてのみ使用される。
1.5 この規格は、その使用に関連するすべての安全上の懸念(もしあれば)に対処することを意図するものではない。適切な安全、健康及び環境の慣行を確立し、使用前に規制上の制限の適用を決定することは、この規格の使用者の責任である。特定の危険有害性の記述は、第7章に記載されている。
注2:ISO 175及びISO 22088第3部は、この規格の実施例A及びBと同一の主題事項を扱っているが、技術的内容が異なり、結果を直接比較することはできない。
1.6 この国際規格は、世界貿易機関の貿易の技術的障害(TBT)委員会が発行した国際規格、指針及び勧告の策定のための原則に関する決定において確立された、標準化に関する国際的に認められた原則に従って策定された。