概要
本仕様書は、ステンレス鋼部品の化学不動態化処理について規定したものである。硝酸溶液を用いた浸漬処理、クエン酸溶液を用いた浸漬処理、電気化学的処理である。不動態化処理液から取り出した後、直ちに、停滞洗浄、向流洗浄、スプレー洗浄を単独または組み合わせて、また、不動態化媒体の中和のための化学処理を別に行うか否かを問わず、部品を十分に洗浄しなければならない。ステンレス鋼の表面における不動態化媒体の化学反応は、別途の中和処理の有無にかかわらず、ステンレス鋼部品の洗浄によって停止されなければならない。化学的に清浄なステンレス鋼の表面に、不動態皮膜の形成を促進するような化学処理を施さなければならない。不動態化処理された部品は、化学的に清浄な表面を有し、目視検査においてエッチング、ピット、またはフロスティングを示さないものとする。次の試験は、ステンレス鋼部品の各ロットに実施しなければならない:水浸漬試験、高湿度試験、塩水噴霧試験、硫酸銅試験、フェリシアン化カリウム-硝酸試験。ステンレス鋼の表面の遊離鉄の検出には、遊離鉄試験を使用しなければならない。
適用範囲
1.1 この仕様は、ステンレス鋼部品のさまざまな種類の化学不動態化処理に対応しています。それは、ステンレス鋼部品のスケール除去、洗浄、不動態化のための推奨事項と注意事項を含んでいます。また、ステンレス鋼部品の化学不動態化処理 の有効性を確認するための、いくつかの代替試 験とその合格基準も含まれている。
1.2 ステンレス鋼表面の機械的および化学的処理に関 する実践は、実践A380/A380Mでより詳細に議論さ れている。
1.3 ステンレス鋼部品の不動態化処理には、いくつかの化 学処理の選択肢がある。付録X1と付録X2は、特定のステンレス鋼種に適し た不動態化処理の選択に関する非必須の情報と一 般的なガイドラインを提供するものである。本仕様は、特定の用途やクラスに対する鋼種、 処理、許容基準の適合性に関して、いかなる推奨 も行なわない。
1.4 本仕様書の試験は,特に遊離鉄及びその他の外来物質の除去に関して,不動態化の有効性を確認することを 目的とするものである。これらの試験には,以下の実施内容が含まれる。
1.4.1 実施例 A-水浸漬試験。
1.4.2 実施例 B-高湿度試験。
1.4.3 実習 C-塩水噴霧試験。
1.4.4 実習 D-硫酸銅試験。
1.4.5 実施例 E-フェリシアン化カリウム-硝酸試験、及び
1.4.6 実施例 F-湿潤布試験、及び
1.4.7 実施例 G-沸騰水型浸漬試験
注1:遊離鉄とは、部品の表面に存在する鉄のことで、鉄汚染、鉄粉、酸洗液の残留鉄塩、鉄粉、大気暴露、溶接部の鉄付着、埋没鉄、酸化鉄などが含まれるが、これらに限定されない。
1.5 SI単位またはインチポンド単位のいずれかで記載された数値は、個別に標準とみなされる。各方式に記載された数値は正確に等価でない場合があるため、各方式は独立して使用されるものとする。2 つのシステムの値を組み合わせると、規格に不適合となる場合がある。
1.6 この規格は、その使用に関連する安全上の懸念事項がある場合、そのすべてに対処することを意図したもので はない。本標準の使用者は、使用前に適切な安全衛生習慣を確立し、規制制限の適用可能性を判断する責任を負う。
1.7 この国際規格は、世界貿易機関の貿易の技術的障害(TBT)委員会が発行した国際規格、ガイド及び勧告の 開発のための原則に関する決定において確立された国際的に認められた標準化に関する原則に従って開発 されたものである。