要約
この指針は、熱間圧延炭素鋼棒、冷間仕上げ炭素鋼棒、熱間圧延合金鋼棒及び冷間仕上げ合金鋼棒の各仕様における炭素鋼棒及び合金鋼棒の要求事項をまとめたものである。炭素、マンガン、リン及び硫黄に要求される化学成分に適合する材料を用いた数種類の炭素鋼棒について、熱分析及び製品分析を行うものとする。また、数種類の合金鋼棒について、熱分析及び製品分析を行い、炭素、マンガン、リン、硫黄、ケイ素、ニッケル、クロム及びモリブデンに要求される化学成分に適合するものとする。規定の化学成分に示された組成以外の組成が要求される場合には、炭素鋼及び合金鋼に対して規定された範囲及び限度を用いて組成限度を作成するものとする。材料は、粒度試験を行い、規定の粒度要件に適合するものとする。鋼試験片については、機械的試験も行うものとする。
適用範囲
1.1この仕様書2は、発注書又は個別の仕様書に別段の定めがない限り、次の各ASTM仕様(又はこの仕様書若しくはその一部を援用するその他のASTM仕様)に基づく炭素鋼及び合金鋼の棒鋼に適用される共通の要件のグループを対象とする。
仕様書の表題-ASTM記号A
熱間圧延炭素鋼棒鋼:
棒鋼、炭素、焼入・焼戻し-A321
棒鋼および形鋼、”T”レールから圧延された炭素-A499
棒鋼、炭素、商用品質、M-グレード-A575
棒鋼、炭素、熱間鍛造、特殊品質-A576
棒鋼、炭素、商用品質、機械的性質-A663/A663M
棒鋼、炭素、熱間鍛造、特殊品質、機械的性質-A675/A675M
ばね用鋼棒炭素・合金-A689
冷間仕上げ炭素鋼棒:
棒鋼、炭素および合金、冷間仕上げ-A108
機械的特性要件の対象となる冷間引抜き応力解放炭素鋼棒-A311/A311M
熱間圧延合金鋼棒鋼:
棒鋼、合金、標準グレード-A322
エンドクエンチ焼入性要件の対象となる炭素および合金鋼棒-A304
棒鋼、合金、熱間加工または冷間仕上げ、焼入および焼戻し-A434/A434M
棒鋼、合金、熱間鍛造、高温または圧力を含む部品用、またはその両方-A739
冷間仕上げ合金鋼棒:
棒鋼、合金、熱間圧延または冷間仕上げ、焼入および焼戻し-A434/A434M
棒鋼、炭素、熱間加工または冷間仕上げ、特殊品質、圧力配管コンポーネント用-A696
これらの名称は、Annual Book of ASTM Standards、Vol 01.05に掲載されているか、またはASTMから入手可能な再版として掲載されている、それぞれの仕様の最新版を指す。
1.2要求事項に矛盾がある場合には、発注書、個別の材料仕様及びこの一般仕様の要求事項が、指定された順序で優先する。
1.3インチポンド単位又はSI単位のいずれかで記載された値は、別個に標準とみなされる。各システムに記載された値は、必ずしも正確に同等ではない。したがって、規格への適合を確保するために、各システムは、互いに独立して使用されるものとし、2つのシステムからの値は、組み合わされないものとする。
1.4この仕様書及び1.1で参照されている様々な材料仕様への適合性を決定するために、寸法値は、実務E29の丸め方法に従って、限界値を表すために使用された数値の右側の最も近い単位に丸めるものとする。
注1:仕様A29/A29Mは、以前は冷間仕上げバーの寸法公差を記載していましたが、現在は仕様A108に記載されています。
1.5この規格は、その使用に関連するすべての安全上の懸念(ある場合)に対処することを意図するものではない。適切な安全、健康及び環境の慣行を確立し、使用前に規制上の制限の適用を決定することは、この規格の使用者の責任である。
1.6この国際規格は、世界貿易機関の貿易の技術的障害(TBT)委員会が発行した国際規格、指針及び勧告の策定のための原則に関する決定において確立された、標準化に関する国際的に認められた原則に従って策定された。